障害年金では、この初診日に非常に大きな意味が与えられています。
初診日は障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。
同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。
初診日に国民年金や厚生年金などの年金制度に加入していることが必要です。
これに当てはまらない場合でも、初診日に20歳未満か、又は60歳以上65歳未満であるときは、年金制度に加入していない時期の初診日であっても、国民年金に加入していたのと同じ扱いになります。(ただし、日本国内に住所があるときに限る)
20歳未満の時に初診日がある場合は所得などの受給制限があります。
初診日の前に、決められた月数以上の、保険料が納付されているか免除を受けている月数が必要です。
具体的には、次の条件のどちらかに当てはまっていること、とされます。
なお、初診日が平成3年4月30日までのものについては、これらの「前々月まで」とあるのは、「月前における直近の基準月(1月・4月・7月・1月)の前月まで」とされています。
障害の状態が、障害認定日(※)に、障害等級表に定める等級等に該当していること。
障害等級は、重い方から1級、2級、3級と定められている他、3級の下に障害手当金があります。国民年金は1級と2級のみです。(等級の程度は下表参照)
なお、障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害年金を受取ることができる場合があります。
初診日から1年6月経過した日あるいはそれ以前の「治った」日(から概ね3ヵ月以内)の障害の程度が障害等級に該当していると、他の要件を満たしているなら、その日以降いつでも請求手続きができることになり、障害認定日の翌月分から障害年金が受給できます。
この請求では、たとえ請求の時期が大幅に遅れても、年金は最大5年分を遡及して受給できます。
障害認定日には障害の程度が軽くて障害等級に該当しなかったが、その後該当するようになったときは、そのときから障害年金の請求ができます。 事後重症請求の場合の年金受給は、請求手続きを行った翌月分からで、遡及して受給することはできません。
この請求は、すでに障害のある人がさらに障害を負ったことによって、それらの障害を併合して初めて2級に該当する場合に請求するものです。
この場合、受給権が発生するのは複数障害併合の結果2級に該当したときですが、実際に年金を受給できるのは、請求手続きを行った月の翌月分からになりますから、手続きは早いに越したことはありません。
初診日が20歳前で、どの年金制度にも加入していなかったときは、原則として、20歳に達したときに障害等級に該当していると、国民年金から障害基礎年金が支払われます。
ただし、20歳未満の時に初診日がある場合は所得などの受給制限があります。
障害等級 | 法律の定義 | 具体的な内容 |
1級 | 身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの | 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身の回りのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。 |
2級 | 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの | 必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできてもそれ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。 |
3級 | 傷病が治らないで、労働が著しい制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度のもの | 労働が著しい制限を受ける、または、労働に制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活には、ほとんど支障はないが労働については制限がある方が3級に相当します。 |
障害手当金 | 傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの | - |
(※)障害認定日とは障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6か月を過ぎた日、または1年6か月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。