入院時の限度額適用認定証による負担軽減は同一の医療機関で一人一ケ月ごとの療養のみに適用されます。
したがいまして同月内、同一世帯で複数の医療機関に入院したり、入院以外に外来で21,000円以上の窓口負担があれば、改めて高額療養費の申請を行って再計算をすることになります。
<例えば次のようなケースが該当します>
例 1・・・限度額適用以外に外来で21,000以上の窓口負担があった。
例 2・・・限度額適用が2人以上あった。
例 3・・・入院が続いて限度額適用が4回以上になり多数回に該当した。
<具体例>・・・被保険者・夫(50歳一般所得)、被扶養者・妻(45歳)の二人の世帯
・ 例 1 の具体例 (入院と外来) →計算式は下記
夫・・・入院で限度額適用の窓口負担が90,000円だった。
妻・・・外来で窓口負担が30,000円だった。
本来の計算式で世帯の自己負担限度額を算出すると91,000円になります。(計算式は下記)
したがいまして申請により(90,000円+30,000円)-91,000円=29,000円が払い戻されます。
・ 例 2 の具体例 (夫も妻も入院)
夫・・・限度額適用の窓口負担が90,000円だった。
妻・・・限度額適用の窓口負担が100,000円だった。
本来の計算式で世帯の自己負担限度額を算出すると112,570円になります。
したがいまして申請により77,430円が払い戻されます。
・ 例 3 の具体例 (多数回該当)
多数回該当となった4回目以降は自己負担限度額は軽減されますが、同じ病院に続けて入院していたとしても窓口では軽減前の自己負担限度額が適用される場合があります。
(病院窓口では多数回該当に対応するのが難しいようです)
多数回該当の自己負担限度額は定額の44,400円です。
軽減前の計算で90,000円払っていたとすれば申請により45,600円戻ります。
<参考>・・・例1の計算
自己負担限度額=80,100 円+(かかった医療費-267,000 円)×1%・・・Ⓐ
・例1の夫のかかった医療費・・・夫の90,000円をⒶの式に当てはめて、かかった医療費を計算すると
90,000円=80,100円+(かかった医療費-267,000円)×1%
∴夫のかかった医療費=1,257,000円・・・Ⓑ
・例1の妻のかかった医療費・・・妻の30,000円を次の式に当てはめて、かかった医療費を計算すると
かかった医療費×3割(=3割負担なので)=30,000円
∴妻のかかった医療費=100,000円・・・Ⓒ
・世帯の自己負担限度額・・・ⒷとⒸを式Ⓐに当てはめて世帯の自己負担限度額を計算すると
自己負担限度額=80,100円+(1,257,000円Ⓑ+100,000円Ⓒ-267,000円)×1%
=91,000円 ←例1の自己負担限度額
・・・今回で 高額療養費のテーマは終わります・・・